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逆転合格できるのは誰だ!?チャンスがあるタイプは??

 私はオンライン家庭教師をしているので、最初に無料の面談をすると「今このくらいの成績で、第一志望は〇〇大学です。受かりますか?」みたいな質問を受けることになります。

 普通の塾では上手くいかないからオンライン塾を頼む場合も多いようで、いわゆる逆転合格を目指して私のところに問い合わせをくれる方も多いです。『ドラゴン桜』や『ビリギャル』のようなストーリーが実際にあるかどうかという話ですね。そういう方と面談をして、実際に指導をしてきて、私がどういうタイプの人が逆転合格できると思うかを教えます。

 答えは「そんなもん分からない!!!!」です。

 だって人間はとても複雑なんですもの。何がどう作用してどういう変化が起こるかなんて予測できません。その複雑な人間どうしが関わり合うのだから、人間関係はさらに複雑になります。だから私がある人を教えるとして、どういう結果が起こるかなんて予測できません。  人間が人間を見る目は節穴です!こういう仕事をしていると他人の資質が見抜けると思い上がってしまいがちですが、教師の目は節穴です(自戒を込めて)!

 とはいえ、ある程度、参考になる指標はいくつかあるので、それを紹介しましょう。


才能と環境

 残酷ですが、例えば高3時点で勉強を頑張ろうと思い立ったとして、スタートラインは人それぞれ全然違います。遺伝的な才能や環境の違いはあります。

 親が大卒か非大卒かで、子供が大卒になるか非大卒の割合に違いが出ることは統計的に明らかになっています。(ちくま新書の『教育格差』などに詳しいです)  これは知的能力が遺伝するからかもしれないし、高学歴の親ほど子供に教育予算をかけるからかもしれないし、高学歴の家庭ほど文化水準が高いから(例えば家庭内の会話が文化的であるか、会話の語彙レベルが高いか)かもしれないです。僕が知っている範囲で見ると、家族・親族内の学歴はある程度似通っています。  まず、こういう格差が厳然と存在することは事実です。

 まあ、才能や能力という単語が何を指すのかと考えると、それ自体が難しい問題なので「才能も大事だよ」という指摘にどれほどの意味があるか分かりませんが。  努力するのも才能だと考えれば、努力する才能はめちゃくちゃ大事です。  勉強を好きになれるのも才能かもしれません。そうだとすれば、勉強を楽しめるのもめちゃくちゃ大事な才能です。

成績の推移

 小学校や中学校での成績です。逆転合格を達成した人の中には、過去には成績がよかったけど、何かのきっかけで成績が落ちて、あるときから努力を再開して元のレベルに戻って合格を達成したという人もそれなりにいます。  元の成績が高いほどチャンスがあります。躓いた時点にまで戻って勉強をやり直すことが大事です。特に小中の勉強は完璧にできていないと高校レベルの勉強でボロが出るので、ちょっと簡単すぎるんじゃないかと思えるくらいのレベルの勉強から始めることが大切です。

努力ができるか

 人間は良くも悪くも習慣の影響を大きく受ける生き物です。ある日突然生まれ変わるなんてことはほとんどありません。だから、努力できる人が強いです。  将来のために今の楽しみを我慢できるタイプ、深く悩みすぎずに淡々と同じリズムで勉強できるタイプが受験向きです。(そういう生き方が楽しいかはまた別の問題です)  また、これは私が指導した範囲の印象にすぎないですが、親子関係が良好で安定している家庭の子は淡々と努力できる傾向があるように感じます。家庭が心理的な安全基地として機能していることは大事だと思っています。

今まで勉強してきた量  普通に考えると、勉強してきた量が多いほどいいですが、逆転合格を考えた場合は勉強してこなかった方が、可能性を秘めています。  ただ単に勉強してこなかった(学校に行っていなかった、学校の授業が嫌いだった、部活しかしていなかったなど)から成績が低いのなら、勉強を始めれば成績が伸びる可能性があるからです。

 がむしゃらに努力していたけどやり方が間違っていたというパターンの人も、考え方を変えれば一気に伸びる可能性があります。

勉強をする文化があるか  人間は周りに流される生き物です。勉強をするのが当たり前という空気があれば勉強するし、勉強ばかりしているのは気持ち悪いという空気があれば勉強しなくなります。そういう点で高学歴の家庭、大都市圏在住、進学校出身というのは強みになります。

  これらの要素を全て勘案しても、分からないものは分からないです!!!あくまでも傾向にすぎないです。ほんっとうに人それぞれなので!!!

私が教えたら?

 私が指導した場合に、どこまで伸ばせるか、どういう生徒なら伸びるかといった話をしてみたいと思います。  しっかりとした勉強習慣がある生徒であれば、半年くらいで偏差値10くらい、学年順位が100くらい上がることがよくあります(あくまでも目安の数字ですが)。  それ以上伸びる人は稀です。やはり大逆転合格というのは簡単ではないです。  それは私が堅実な教え方をするからかもしれないし、私の指導力が大したことないからかもしれないです。

合う人・合わない人

合う人 ・努力できるけど、やや不器用な人  私は大局的にものを見て、大きな計画を立てる方が得意です(細かいところを詰めて努力するのはかなり苦手)。なので、コツコツ努力するタイプの生徒を教えると、お互いの得意不得意を上手く補えるのでうまくいきやすいです。 ・頭を使うことが好きな人  私が教える勉強法は知的負荷が高いです。量ではなく質重視です。理詰めで考えることを大切にします。なので考えることが好きな人の方が相性がいいです(勉強が好きでなくても大丈夫です。頭を使うことが好きなら、そのうちに勉強の楽しさに気がつきます)。 ・切羽詰まっている人  知的負荷が高い勉強法なので、切羽詰まっていないとなかなかやりきれないです。だから切羽詰まっている人の方が合います。  また、僕は入試本番にぴったりと合わせた計画を立てることが得意なので、そういう意味でも切羽詰まった受験生の方が合います。

合わない人  ・勉強が嫌いな人 上記の通りです。 ・切羽詰まっていない人 上記の通りです。高校1年生、2年生は上手くいかないケースが増えます。 ・勉強習慣を作るところで苦労する人 ここの引き出しはあまり持っていないです。というか私に勉強習慣がない!ゲームしてSNSして1日が終わってしまう!誰か助けて!! ・1教科単位で教わる人 私は全教科のバランスを見ながら教えることが得意です(「まずは数学に力を入れよう!」とか)。だから、国語専門で依頼されたりすると、力を発揮しきれないです。

 さて、私が常々疑問に思うのは、逆転合格を目指すときに多くの人が1年での合格を考えていることです。多くの人が高3からの1年間、勉強を頑張ります。でも、逆転合格を目指すならそれまでの10数年間でついた差をひっくり返さないといけません。それには机に向かって勉強してきた時間だけでなく、頭を使ってきた時間の差、雑学・教養の差も含まれます。1年でなんでもなんとかなると思うのは、コツコツ勉強してきた人の真面目な努力に対する敬意が足りない部分もあると思います。  全く勉強習慣がなかった人であれば2、3年は覚悟した方がいいと思います。でも、2、3年かけるくらいなら受験勉強はそこそこにして次のフィールドで頑張るのもいい選択です。どのフィールドで勝負するか選びましょう。

逆転合格のために何を勉強するか

 先にも軽く触れたように、基礎の徹底から始めます。人によってかなりの差はありますが、小学校高学年〜高校基礎のどこかのレベルから復習します。この地道な復習を経て、初めて受験生としてのスタートラインに立てます。  そして、基本的な知識を叩き込みたいところです。中学〜高校基礎レベルの英単語、常用漢字などをひたすら覚えます。  「なんとなく分かる」「だいたい分かる」を「ちゃんと分かる」「完璧に分かる」に変えることがとても大切です。

 その第一段階をクリアしたら何をするか。それは私の授業を継続的に受講していただいた方に話しましょう。体験指導の問い合わせはホームページ(下線部にリンクありhttps://daikatsumata54.wixsite.com/dai-katsumata)からお願いします。

 

最後に思うこと

 最後に個人的に思うことを書いて終わりにします。逆転合格をしたいと思った人の中で、継続的に努力できる人はそれだけで少数派です。逆転合格できるかどうかなんて気にしてもしょうがないから(未来は誰にも予測できない)、まずは努力してみればいいと思います。  継続して努力できたなら、それだけで価値のあることだと思います。『やればできるの研究』という本に2種類のマインドセットが紹介されています。1つはfixed mindsetで、もう一つはgrowth mindsetです。前者は能力を固定的なものと捉える考え方で、後者は能力は磨けば伸びると捉える考え方です。本では後者の考え方が推奨されています。志望校に向けて必死に努力すれば、不合格でも残るものはあるはずです。ところで、僕はこの本のタイトルは「やれば伸びる」の方がいいと思っています。がんばっても「できる」かどうかは分かりません。でも、誰でも「伸び」ます。成長します。

 また、僕は人生の面白さは、予測ができないところにあると思っています。一生懸命努力しても届くか分からないことに挑戦することは、とても楽しいことだと思います。この記事で書いた、伸びそうなタイプに当てはまろうとそうでなかろうと、そんなことは気にしないで、行きたい大学があるのならまずは挑戦してみてください。

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