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私の勉強法遍歴 模試全国1位までの道のり ③国語編

私はオンライン家庭教師をしています。自分の勉強の成果を確認する意味で定期的に模試を受けており、先日の駿台全国模試(2024年第1回)で文系3教科で全国1位を取りました。



目次

  1. 小学校入学前

  2. 小学校

  3. 中学校(地方公立)

  4. 高校(都立西高校)

  5. 大学

  6. 社会人



小学校入学前

 4歳くらいから漢字が読めたので、大人が読むような本や新聞も読んでいました。一方で絵本を読むことはほぼありませんでした。評論文が得意で小説などの文学的文章が苦手な傾向はこの頃からずっと変わりません。活字は何でも読むタイプだったので、そういう意味で国語はずっと得意です。



小学校

 小学校低学年の頃に祖母と遊びで百人一首をやることがありました。また、歴史が好きだったので、軍記物語の現代語訳を読んでいました。そうやって古典の言葉遣いにある程度親しんでいたことが、後に活きてきたと思います。

 小学校の頃は宿題以外で家で勉強することはありませんでした。例外は、漢字の書き取りです。漢字は学校で少ししか練習せずにいきなりテストに出題されることがあります。そこで点が取れなかったので、高学年から漢字の書き取りだけはやるようになりました。それで漢字が得意になりました。中学まで続けて、中2で漢検2級を取ったはずです。



中学校(地方公立)

 やったのはZ会の教材とテスト勉強くらいですね。国語は特に勉強しなくても東京の高校受験にも対応できました。模試でも名前が載ったことがあります。



高校(都立西高校)

 高2まではテスト勉強くらいしかしていなかったけど、それなりに上位でした。上の下くらいの成績でした。高2の冬に、その年のセンター試験を解いてみて、170点台で調子に乗ったことを覚えています。 受験勉強をするようになって、『田村の現代文』を読んで、初めて現代文の方法論というものを学びました。それで実践したんですけど、むしろ点数は少し下がりました。方法論に気を取られてかえって内容理解が疎かになったんですね。そこで受験直前に元のやり方に戻しました。これでバランスが良くなって、本番はそれなりの点数が取れました。読み方に方法論があるということをとりあえず学んだという感じです。 また『高校生のための評論文キーワード100』をどこかで勧められて読みました。答えを教えるのではなく、読者に考えさせるような書き方でとてもいい本でした、これを読んで哲学科に行きたいと思うようになりました。成績よりも進路選択に影響を与えた本ですね。 東大受験に関してはZ会の東大コースの問題を解いたことが役に立ちました。形式への慣れは大きかったですね。

 古文はマドンナ古文をやったくらいです。その時点では、ただ文法を覚えるんじゃなくて、主語を取るとかそういうことが古文読解では大事なんだなと気付いたくらいですね。漢文は句法を軽く覚えただけでなんとかなりました。古文も漢文も比較的教養があって語彙力があったことが幸いした感じです。古文漢文は、受験勉強として習う内容以外の教養・語彙力でけっこう差がつく教科だと思います。

 東大の入試は70/120点でした。差がつきにくい教科なのでそれなりに上位だったのではないかと思います。感覚としては古文漢文は平均くらいで現代文で稼いだという感じです。



大学

 関係ないかと思われるかもしれませんが、大学で卒業論文を書いたことが現代文の力を大きく引き上げてくれたと思います。書き手の苦労が分かるようになると、読むときも書き手の意図を汲みやすくなります。書きたい内容をどうやって文章として組み立てるかという思考回路が育つと、その逆を辿って、文章を読んでどういう内容を言いたかったのか読み解くということもできるようになるのです。 僕は哲学科では落ちこぼれだったと思うのですが、卒論だけは頑張りました。哲学というのは、前提がほとんどないところから議論を組み立てないといけないので、執筆中は「これは議論として全く成立していないのではないか」という恐怖とずっと戦っていたことを覚えています。だから「議論が成立しているとはどういうことか」とか「文章が成立しているとはどういうことか」といったことを真剣に考えて、論文の書き方の本を何冊か読みました。特に影響を受けたのは『論文の教室』(戸田山和久)と『論文作法』(ウンベルト・エーコ)です。人生で一番しんどい勉強が卒論でした。これを切り抜けて現代文の見え方が全く変わりました。 筆者が自分の主張をするためにどうやって論証を組み立てているのかということに想像が及ぶようになりました、それまでは文章をただ前から読んでいる感じでした。この頃から文章全体の構造のようなものが見えるようになってきました。意味段落とか要約とか要旨とかピンと来なかったのが、自然と分かるようになりました。 中高生は書く機会が圧倒的に不足しているので、書く訓練を絶対にすべきです。記述が出題されない大学を受験する人でも、長期的に見れば書く訓練をした方が絶対にいいと思います。



社会人

 古文では『あさきゆめみし』と『元井太郎の古文読解が面白いほどできる本』が転機でした。『あさきゆめみし』では古文常識の重要性に気付きました。僕が思う古文常識というのは、単なる知識ではなく、平安時代の価値観や世界観のようなものです。古文は比較的話のパターンが限られているので、よくあるパターンを理解していれば推測で読めるようになってきます。また、古文は省略が多いです。省略を補うためには「常識的に」考える必要があります。この「常識的に」が、現代の常識であってはいけなくて、古文の世界の常識でなければいけないのです。そういう雰囲気をつかむためには、漫画が最適です。見た目のイメージが記憶に残るので、古文を読んだときに情景が浮かぶようになります。古文は物語が多いので、場面が思い浮かぶことが重要です。『元井の古文』では読解の技術というものを学びました。それまでは文法と単語以外に何を勉強すればいいんだろう?という感じだったので、古文常識と古文読解という武器を手に入れて点数が大きく上がりました。一方で、文法と単語はあやしいままでした。 漢文は宮下典男の参考書などが転機でした。漢文を中国語として見て、中国語の文法から理解するという方向性の教材をいくつか読みました。それまでは、ただ句法を覚えるだけだったので、ここで文法的視点から理解できるのか!白文でそのままの語順で(ある程度は)理解できるのか!というのが大きな発見でした。漢文はもともと得意だったけど、より高得点で安定するようになったと思います。

 現代文では『哲学の誤読 入試現代文で哲学する』(入不二基義)に大きな影響を受けました。著者は元予備校の人気講師(英語)で、今は哲学の大学教授です。サブタイトルにもある通り、入試に出題された哲学的文章を読み解いていくスタイルの本です。その読み解き方の深さと精度が本当にすごいんです!この本を読んで「ここまで読み込めるんだな」というレベル感を知れたことが大きいです。また、出題者、解答作成者など様々なレベルで「誤読」が生じうることを扱った本でもあるので「完全な読みというのは、そうそうできるものではないのだな」というレベル感も知ることができました。僕の現代文の読み方や教え方は、この本の影響をかなり強く受けています。 赤本や予備校の入試問題の解答例などを見ると「自分の方が正確に読めてるんじゃない?」「多分ここでこう読み間違えてこの解答例になったんじゃないか?」と思うこともあります。一方で、深く読みすぎて読み方のバランスが崩れているような感じが生じることも出てきました。模試を受けると、問題作成者と考えが合わなくて、得点が伸び悩むことが多くなりました。小説の読解は、仕事で教えているうちに、自然とできるようになってきました。大学入学以降にある程度は小説を読むようになったのも影響していたかもしれません(それまではほとんど読んだことがなかった。今もまた読まなくなっている)。出題者心理を想像するようになったことが大きな変化かもしれません。入試問題として客観的に採点できる問題ってなんなんだろう?と考え、客観的に読める範囲で妥当な読み方をすればいいと気づきました。それまでは文学への苦手意識からか「文学的な想像力」みたいなものを働かせようとしていました。そうではなくて、「書かれている範囲内で妥当に推論する」ことで十分だと気づいて得点が伸びました(具体例がないと伝わらないでしょうが、感覚的にはこんな感じです、、)。小説への変な苦手意識を捨てて、客観的に読むようにしたということです。また、人生経験・社会経験が増したことも得点に影響していそうです。「妥当な読み方」というのはある種の常識がないとできない部分もあると思います。「こういうことを言うのは失礼にあたる」とかそういうことです。

 今回の模試に向けては、古文漢文もやはり高校基礎レベルに戻って勉強しなおしました。古文は文法と単語の基礎をやり直しました。文法は『ステップアップノート30 古典文法トレーニング』を解きながら学校で配布される文法の参考書(?)を見る感じで進めました。これも問題を正解することを目標にするのではなく、問題を解く過程で弱点や穴を見つけて、それを埋めていく意識で進めました。文法事項のまとめのようなものも少しだけ作りました。 古文単語は本当に覚えにくいですね。覚えにくい理由は二つあります。一つは多義的であること、もう一つは日本語ではあるから新しい単語として認識しづらいことです。例えば「あからさまなり」という単語は、現代語にも「あからさま」という言葉があるせいで、どうしても脳みそが新しい単語として認識してくれない感じがあります。知っている単語として処理してしまうから、覚えようというモードになってくれない感じがあります。あくまでも感覚的な話ですが。 単語はまず『マドンナ古文単語』に付属している単語カードを使い、とりあえず暗記しました。その後で、別の単語帳と辞書を使いながら語義の理解を深めました。それでも覚えにくい単語は『ゴロゴ』の語呂の力を借りて覚えました。最後に『読み解き古文単語』を使って文中での使われ方を理解しようとしましたが、これは途中までしかできなかったです。ごちゃごちゃするところは全てnotionに整理しました。いろんな条件でソートできるので、復習のやり方が自由で、そこがいいところです。目的をはっきりさせて教材を使い分けられるところは僕の強みかと思っています。


 漢文は中国語文法を理解するという方向性で勉強していたので、書き下し文のルールがかえってあやしくなっていました。なので、そこの解説が充実している「ヤマのヤマ」をやりました。

 今後は、古文漢文はもう少し深い内容をやりたいですね。ちくま学芸文庫などから、一昔前のレベルの高い参考書が復刊されているので、そういうものに取り組みたいです。まだ、入試に出題される内容をとりあえず覚えているだけというレベルに留まっている感じがするので、もう少し知識量を増やしていきたいです。

 現代文は、今回の入試に向けてほぼ勉強していないです。というか社会人になってから入試問題を解く以外の勉強はほぼしていないです。今回やったことと言えば、河合塾から出ている問題集を少し解いたことです。狙いは、予備校講師がどんな解答をどんな基準で作ってどんな採点基準を用意しているか、その感覚と自分の感覚を擦り合わせることでした。だから、大手予備校から出ている問題集を選びました。自分の読み方がこだわりすぎになっていた感じがしていたので、読みの細かさを入試レベルに合わせることを意識しました。

 現代文は、今後もそんなに勉強しないと思います。強いてあげるなら、漢字を書く機会が少なくて忘れかけているものが増えてきているのでどこかのタイミングで復習が必要かもしれません。


 こういうふうに勉強法を工夫することで成績は大きく伸びていきます。僕は3教科の偏差値が高校のときより30伸びています。 一人一人の状況によって勉強法は変わってくるので、僕は個別指導というスタイルを大事にしてオンラインで家庭教師をしています。 体験授業の申し込みはこちらから受け付けているので勉強法を変えて成績を伸ばしたい人はぜひ!!https://daikatsumata54.wixsite.com/dai-katsumata

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