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私の勉強法遍歴 模試全国1位までの道のり ②英語編

 私はオンライン家庭教師をしています。自分の勉強の成果を確認する意味で定期的に模試を受けており、先日の駿台全国模試(2024年第1回)で文系3教科で全国1位を取りました。


 今回は英語についてです。 大学4年までずっと英語は苦手だったので、役に立つ話だけ知りたい人はそこから読み始めてください。


目次

  1. 小学校

  2. 中学校

  3. 高校(都立西高校)

  4. 大学(東京大学)

  5. 家庭教師



小学校

 中学入学までに特別な英語の勉強をしたことはないです。 一度だけ、公民館でやっている無料(?)の英語教室みたいなのに通ったことがあるけれど、あんまり楽しかった記憶がありません。子供向け英会話の「お話ししましょう!」「歌を歌いましょう!」みたいなノリが苦手なんですよね。引っ込み思案なので。それに、理屈っぽい話の方が好きです。 今のように、必修で小学校英語を習っていたら英語を嫌いになっていたかもなーって思います。



中学校

 中学では、学校の勉強以外にZ会の通信教育とNHKラジオの英会話をやっていました。塾には通ったことがありません。人の話を聞くより本を読んで理解する方が好きです。 Z会はそれなりにまじめにやっていました。教材の内容まではよく覚えていないけれど、よかったんじゃないかなーと思います。 ラジオ英会話は数年続けた記憶があります(もしかしたら小学校高学年から始めていたかもしれません)。最初の頃(基礎英語1・2くらい)は効果があった感じがします。説明もわかりやすいし、ちゃんとした発音に触れられたのがよかったです。 話は逸れますが、この頃にもっと発音をしっかり学んでおけたらよかったです。正しい発音を分かっていないとリスニングもしんどくなります。単語の綴りを覚えるのにも影響するし、とにかく発音は大事です。僕は基本的な単語の発音を間違って覚えてしまって、後になって苦労しています。発音記号も早い段階で読めるようになった方がいいですね。 ラジオ英会話は年々少しずつ上のレベルの講座を受けるようにしたのですが、途中からだんだんついていけなくなりました。今考えると、復習をしていなかったので当たり前です。ただ聞くだけで、体系的な復習をできていなかったのがダメでした。でも、当時はそういう復習が必要なんてことにまったく考えが至りませんでした。完璧主義なので、復習をやろうとするときは全部覚えようとしてすぐに挫折することが多かったです。単語は単語カードだけひたすら作って、全然覚えずに、途中で挫折しました。 学校の授業はいまいちでしたね。発音がめちゃくちゃなおじいちゃん先生で、文法の解説も分かりにくかったです。

 高校は東京の進学校を受験することにしました。東京の高校受験は、学校で習うレベルを超えた問題が出るので、とてもしんどかったです。学校の勉強は余裕だったけど、東京の高校受験に向けて何を勉強すればいいか分からなくて困りました。結局、英語はちゃんと勉強しなくて、成績も微妙でした。今考えると、圧倒的に単語力が不足していました。学校で習う単語しか覚えていなかったので。とりあえず単語覚えていればある程度なんとかなったんじゃないかなと今になって思います。 また、学校で習う文法事項自体は覚えていたけど、それを組み合わせた複雑な文になると、どう読めばいいのか全然分かりませんでした。中学英語から高校英語への壁は、この「やや複雑な文を正確に読む」ところにあると思います(東京の高校入試は難しいので高校受験の段階でこの壁を越えないといけない)。中学レベルだと、基本的な文法事項とそれを使った単純な例文が理解できればなんとかなります。僕は体系的な文法の理解がなかったので、この壁で苦戦しました。 そんな感じだったので第一志望の筑波大学附属と第二志望の渋谷幕張には落ちて、第三志望の都立西に進学しました。



高校(都立西高校)

 高校では英語は苦手教科でした。西高は学年320人で、そのうち東大に進学するのは20人程度ですが、定期テストの成績は平均点よりちょっと上くらいでした。 先にも書いたように、文が複雑になってきて全然理解できなくなりました。テスト勉強は適当な暗記でやり過ごしているだけでした。品詞を理解していなかったことが一番の問題でした。「副詞節って何?副詞って何?節って何?」っていうレベルでした(ああいうのってみんないつどこで習うんですか?)。タイミングを逃して、文法用語が何も分からないまま勉強していたので、授業がさっぱり理解できませんでした。結局この問題は家庭教師の仕事を始めるまで持ち越されました。大学受験は、文法ボロボロで臨みました。

 大学は東大を受験しようと決めました。 受験勉強の中で一番効果があったのが単語の勉強です。基礎的なレベルからあやしいと気付いたので、センターレベルの1500語の単語帳(学校で配布されたもの)を高3のときに一気に暗記しました。これで一気に点数が伸びた記憶があります。センターで7割台から9割台くらいになったんじゃないでしょうか。でも単語はそのくらいのレベルで、それ以上のレベルの単語はあやしいままでした。DUOが学校の小テストで出題されるので、多少は勉強していたのですが、全然仕上がってはいませんでした。それ以外では、長文に出てきた単語を覚えていました。友達と毎日数個ずつ出題しあって覚えていた記憶があります。そのくらいの単語量だったので、センターレベルを覚えて成績が伸びたとはいえ、東大を目指すには弱いレベルでした。

 さて、どうやって誤魔化して点を稼いでいたかというと、知識と教養と思考力で推測してゴリ押しです。受験生にしては教養があったので、単語がある程度分かれば、長文の内容は推測できてしまうんですよね。長文でなんとか点を稼ぐスタイルです。リスニングはラジオ英語の貯金があったので、まあまあでした。 文法は、先にも書いたように文法用語を理解していなかったので、壊滅的でした。学校の小テストでネクステージが出題されていたけれど、全然理解できなかったのでほとんど勉強せずに臨んでいた記憶があります。あまりに文法がボロボロだったので、Z会の教材でネクステよりも簡単なレベルの文法事項を暗記しました。ほんとよく分からないまま暗記していました。こういう経験があるので、僕は「語学は暗記だ」というメッセージを送ることはしません。まずは、基本的な文法の「理解」が先です。最後は結局暗記なんですけど、まずは理解が大事だよと伝えたいです。基本的な文法の仕組みを分かっていない状態での暗記と、文法を分かった上での暗記は全く別物です(最後は暗記だから、英語ができる人ほど、暗記しろって言いがちです)。文法も単語も弱いので、英作文は当然ながら苦手でした。簡単な単語をつなげて、なんとか点を拾うくらいしかできませんでした。

 こんなボロボロの英語力でしたが、東大の入試は教養や頭の回転の速さが生かせるので、なんとか勝負になりました。本番は59/120点でした。合格者の中では下位ですが、他の教科で稼げば、なんとか合格ラインに達するレベルです。圧倒的な知識不足だったので、私立は壊滅的でした(早稲田の文学部のみ受験)。惜しくもなかったと思います。国語と世界史は合格ライン取れていただろうけど、英語で落ちました。



大学(東京大学)

 大学の語学の授業は、受験時の学力が物を言う部分が大きいので、苦労しました。第二外国語のドイツ語もダメでした。ドイツ語の先生が「これは英語の〇〇だよ」と英文法と比較して説明してくれるのですが、僕からすると「英文法が分からんから余計に分からん!」という感じでした。哲学科に進学したのですが、哲学科というのは語学がとても大事な学科なので苦労しました。大学院進学を選ばなかった理由の一つが、語学が苦手だったことです。



家庭教師

 ここまで、全く英語ができるようになりそうな話が出てきませんでしたね。転機は、家庭教師を始めたことです。大学4年時に単位を揃え終わってから休学し、その間のアルバイトとして家庭教師を始めました。家庭教師は英語の需要が大きいので、英語を勉強し直すことにしました。 このときに「中学生レベルから見直そう!」と考えて、中学英文法をさらっと復習したことがとてもよかったと思います。中学レベルは当然余裕で解けるんですけど、それくらいじゃ足りないんですよね。人に自信を持って説明できるくらい深く理解していないと、高校レベルの積み重ねができなくなります。 この頃に読んで影響を受けた本が、『一億人の英文法(https://amzn.to/3YwmVGn)』『つながる英文法』『和田式受験英語攻略法』です。 前の2冊で、文法を体系化するという発想を学びました。とくに一億人の英文法からは「ネイティブの気持ち」というものを学びました。僕はそれまで個々の文法事項をバラバラに覚えていただけでした。本当に何もわからずに丸暗記してました。このときに文法事項どうしにつながりがあるということを理解しました。関連性を見つけられれば、納得感も違うし暗記の負担も一気に軽くなります。また、それまでの僕は日本語と英語を一対一で対応させて、日本語訳に頼って覚えるというやり方でしたが、このときに英語には英語の「理」のようなものがあることを理解しました。英語は英語として理解できる、そしてその手段として英文法が使えるということを体得しました。ここが一番大きなターニングポイントでした。(今になってみると、その説明はどうなのかな?と思う箇所もあるし、なんにでも「ネイティブの気持ち」を読み取ろうとするのはちょっと強引なのではないか?とも思うのですが、当時の自分にとっては無味乾燥に見える文法事項の裏に「気持ち」があると感じることが苦手克服の大きなきっかけになりました。) 『和田式』からは「受験英語」の戦い方を学びました。読解重視で、まずは精読を磨いてから速読に移るという考え方は僕の教え方の基本になっています。

 僕の個性が出ているのは、解釈のやり方がすごく論理的なところかなと思います。詳しくは別記事に書いています。ここで英文解釈が楽しくなりました。パズルみたいな楽しさです。

 当時の生徒と一緒に英文解釈の参考書を何冊かやりました。『英文解釈の技術』シリーズなどをやりました。この時点で、東大の合格者平均くらいのレベルに達していたかなとお思います。

 結局、大学卒業後もプロの家庭教師として働くことにしたので、仕事をしながら少しずつ勉強を進めていきました。高校のときに中途半端だったDUOやネクステージなどをやりました。単語帳も文法の問題集(『頻出英文法・語法問題 1000』など)も英文解釈の問題集(『ポレポレ』『透視図』など)も何冊かやったけれど、飽きっぽい性格が災いして、詰めの甘さがあったと思います。

 この頃に、模試で全国1位を取るという目標を立てて、模試を定期的に受験するようになりました。わりとすぐに、3教科で偏差値80、全国で20位台の成績を出すことができました。しかし、今振り返ってみれば、この頃もまだセンスに頼っていた部分があって、この後長い間伸び悩むことになります。

 20代後半から、塾で英語の集団指導を担当するようになり、予備校のトップ講師と同僚として働くようになりました。ここで、予備校講師との圧倒的なレベルの違いを知ることになりました。ほんと天と地の差で辛かったです笑 僕だけ採用経緯が違ったので紛れ込んでしまったのです。 予備校のトップ講師ってほんとすごいんですよ。入試問題は本当に余裕で解けるし、TOEIC満点は当たり前だし、もっともっと上のレベルなんです。こういうのは、受験生からすると見えづらいと思います。語学に対する愛も全然違いましたね。文法談義をいくらでも続けられるような語学マニアばかりです。 この頃から、英語講師が使うような教材も使うようになりましたね。『現代英文法講義』とかPractical English Usageとかです。高校レベルの総合英語の参考書(『ロイヤル英文法』とか)を通読しつつ、深めたいところはさらに詳しい本で学ぶ感じで勉強していました。 この頃に、英語の奥深さと面白さを学びました。とくに文法と語法の面白さを学びました。ようやく英語そのものを楽しめるようになってきた感じでした。「深くて細かい文法事項に関する疑問をいろんな教材を駆使して調べて解決していく」という勉強をするようになったし、その方法を学びました。先に一億人の英文法などで文法を体系化して理屈で理解することを学んだと言いましたが、より詳しく学ぼうとすると体系からはみ出す例外的な用法がいくらでも見つかるんですね。そういう用法・用例を見つけてニヤニヤするような、楽しみ方というのを学びました。めんどくさい!と思わずに、こんなのもあるのか面白い!と思えるようになれば英語の沼にはまれます(僕は結局はまりきれなかったので今も中途半端な実力です)。細かいところにこれくらいこだわらないといけないんだなという基準も、同僚の先生達から学べました。こうやって基準を引き上げてもらえることはほんと大きいですね。 英作文は、他の先生の教え方を見て、少しだけキッカケがつかめました。英作文も読解と同じで、英語と日本語を一対一で対応させないことが大事だと気付きました。英語→日本語で注意すべき点と、日本語→英語で注意すべき点が異なるので、読解と作文では注意すべき点が違うんですね。でも、一対一対応させないという注意点は一緒です。 この時点で、文法的に明らかに誤った英語を書くことはなくなったかなと思います。でも、作文の場合、「こういう表現がある」とか「この場合はこういう言い方をする」って知っていないと書けない英文というものがたくさんあります。結局は知識量がものを言うわけです。そういう表現のストックが少なかったので、きれいな文章は全然書けませんでした。

 英語に関する知識は深まりましたが、試験で取れる点数が上がったかというとそんなことはありませんでした。ここが難しいところというか面白いところで、「点数を取るための勉強」と「実力をつけるための勉強」はかなりの部分で重なるけれど、完全には重ならないんですよね。この時期は、実力はついたけど点数は伸びなかったという感じです。

 30歳になる頃に地方に移住して、オンラインの家庭教師のみで生計を立てることになりました。30代前半はメンタル的に不調であまり学力を伸ばす勉強ができませんでした。

 そして今年(35歳)、もう一度しっかり勉強しよう!と考えて勉強をやり直しました。伸び悩みの原因をいろいろ考えて思い当たったのは基礎の大切さです。僕はこの仕事を始めるときに中学レベルから見直して、大きく学力を伸ばすことができました。高い目標を立てて見栄を張ると駄目で、基礎から見直すのが近道なのです。「その成功パターンを今の自分に当てはめると、高校基礎レベルをやればいいんじゃね?」と気付きました。「今まで見栄を張ってた部分があるな」とも気付きました。 そこで高校基礎レベルの教材をやり直しました。共通テストレベルの単語帳(『シス単basic』)、DUOの音読、高校基礎レベルの英作文の問題集(『英作文ハイパートレーニング和文英訳編』)、以前に解いた文法の問題集の復習(ネクステージ)などです。もちろん共通テストレベルの単語くらいはさすがに知っているのですが、派生語や動詞の文型や頻度の低い用例とかになるとちょっと怪しいところがけっこう見つかりました。こういうのを徹底的につぶしていきました。他の教材も同じような使い方です。「だいたいできている」を「完璧にできる」に上げていく感じです。

 模試本番でどこまで成果が出たのかよく分からないのですが(もともとそれなりに高得点なので)、読解は安定感が増した感じがします。単語で迷うことが減れば、安定感が増します。迷っても推測でなんとかなることも多いのですが、そのやり方だと大崩れするリスクがあります。また、頭が疲れます。そういうリスクが減ったかなという感じはします。作文は少しレベルが上がった感じがします。作文はどれだけ表現を暗記できるかが大事です。そういう意味で作文の問題集よりもDUOの音読の方が効果があったかもしれません。でも、まだ表現のストックは全然足りていなくて、大崩れしなかったのがラッキーという程度の出来でした。リスニングも全然対策していなかったので、まだまだ実力が足りないです。

 正直なところ、英語は3教科の中で一番実力が低いです。単純に知識量・勉強量が足りていません。単語・熟語・英作文に必要な表現をひたすら覚えていく勉強が今後必要だと感じています。 今回の模試ではリスニングの勉強をできなかったので、リスニングも基礎レベルに戻って勉強したいです。発音の基礎を勉強すればいいんじゃないかなと、現段階では考えています。あとは、洋画を見るなどしてたくさんの表現に触れていくことも必要になりそうです。今は字幕の自動生成機能とかもあるし、この方面の学習ツールは本当に充実してきていますよね。 読解は、大学受験レベルをやや超えるくらいのレベルの英文解釈をやりたいのですが、これは点数にそこまで貢献してくれはしないかなと予想しています。でも、必要ではあります。今の段階で、入試レベルで全然構文が取れないということは起きないのですが、構文を取るのに迷って時間がかかることはあります。これが起こらないで読めるくらいの実力が欲しいですね。また、今は英語を読むのにある程度の集中力が必要です。日本語と同じくらいの負担で読めるようになりたいですね。 単語・熟語も今回はやや簡単な模試だったのでボロが出なかったところがあります。今回は簡単な単語に絞りましたが、今後は難しい単語をやって、単純に知っている単語の数を増やしていく作業も必要になるだろうなと感じています。 難しい英文解釈の本(『英文解体新書』『思考訓練の場としての英文解釈』など)をやりつつ、洋書を読んでいこうと思っています。僕は趣味で研究活動もしているので、英語文献も読めるようになりたいです。今は、洋書や英語論文を読むのに時間がかかりすぎてしまいます。模試のためというより研究のために長期的視点で読解力を伸ばしていきたいです。


 こういうふうに勉強法を工夫することで成績は大きく伸びていきます。僕は3教科の偏差値が高校のときより30伸びています。 一人一人の状況によって勉強法は変わってくるので、僕は個別指導というスタイルを大事にしてオンラインで家庭教師をしています。 体験授業の申し込みはこちらから受け付けているので勉強法を変えて成績を伸ばしたい人はぜひ!!https://daikatsumata54.wixsite.com/dai-katsumata

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