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君たちはどう過去問をやるのか ①受験勉強のスタート地点編

 大学受験や資格試験で必ずやることの一つ、それが過去問演習だと思います。 でも、何のためにどういう意識でやっていますか?誰もがやることだからこそ、どういう意識でやるかで大きな差がつきます。 今回の記事では、僕が過去問演習をするときにどういうことを大事にしているかを紹介します。


 僕は過去問演習の意義や目的は大きく分けて2つあると思います。 一つ目は、自分の実力や志望校のレベルを知ることで、これは受験勉強の最初に行いたいことです。二つ目は、志望校の傾向に合わせて解き方を調整することで、これは受験直前に集中的に行いたいことです。


 では、それぞれの内容をより詳しく見ていきましょう。

 受験勉強を単純化すると、受験勉強は「自分の立ち位置を知り」、「目標のレベルを知り」、「そのギャップを埋めるための最善の方法を見つける」ことができれば、最も効率のよい勉強ができることになります。地図に例えるなら、「自分の現在地」「目的地」「目的地までの最短ルート」が分かればよいということです。受験勉強を始める段階では、自分の現在地も目的地も分かっていません。自分の実力って意外と分かっていないものです。「英語が得意」くらいの理解では解像度が低いです。単語力はこれくらいで、構文はこれくらいの複雑さまで取れて(動名詞の意味上の主語を取ることが苦手とか、SVMOの語順が苦手といった解像度で分かっていることが理想)、長文はこれくらいの速度で読めてといったことが分かっていることが「自分の現在地」が分かっているということです。目的地も意外と分かっていないものです。志望校が決まっているだけでは受験勉強の方向性は定まりません。志望校のレベルを肌で知っていることが大切です。まずは、配点と出題形式と合格者最低点を知りましょう。高校入試と大学入試で大きく違うのは配点です。高校入試は基本的に5教科が同じ配点で出題されます(大都市圏の私立では3教科型のところも多いですが)。そのため、どの教科にも均等に力を配分すればいいです。しかし、大学受験は大学によって配点が大きく違います。だから、配点に合わせた努力をすることが効率的な学習のための第一歩になります。中途半端な数字の配点になっていることもあるので、比やパーセントで表してみると分かりやすくなると思います。例えば英語:国語:社会が3:2:2で43%・28.5%・28.5%だと把握すれば、それぞれの教科にかけるべき時間の目安が見えてきます。次に出題形式も確認します。例えば英語なら、リスニングや英作文の有無などをチェックする必要がありますね。最後に合格者最低点を確認します。合格者最低点が低い大学なら得意教科で稼いで逃げ切る作戦が使えますし、高い大学なら苦手教科を作らない作戦が有効になってくるでしょう。

 目的地は満点や漠然とした高得点ではなく合格者最低点(より少しだけ上の点)です。(スポーツでも同じことが言えます。次の記事を読んでみてください https://note.com/daikatsumata_54/n/n7958440cbbca 私の生徒も体験記でこのことの重要性を書いてくれていますhttps://daikatsumata54.wixsite.com/dai-katsumata/case-c) 大学受験は勉強すべきことが山ほどあります。基本的に時間は足りません。その中で合格を掴み取るためには、勉強することを絞ってその代わりに一つ一つの完成度を高くすることが効率的です。基本的なことの方が出題される頻度が高いので、基本的なことを固める方がコスパがいいわけです。

 僕のおすすめは、過去問を解いた後に、来年の2月に合格者最低点を取っている自分を想像してどの問題で正解しているだろうか考えてみることです。例えば、合格者最低点が6割の入試で、4割の得点率だったとします。埋めるべき差は2割です。間違えた問題の中から、本番に正解すべき問題を2割分だけ選び出します。それが、受験勉強期間に身につけるべき知識の目安になります。記述中心の試験では、配点や採点が分からないこともありますが、大雑把な形でいいから考えてみることが大事です。この作業は謙虚になりすぎても傲慢になりすぎても目安がずれてしまうので、自分の実力を素直に測ることが大事です。(どの問題が「正解すべき問題」なのかという判断は難しいです。プロの指導を受ける意味はこういうところにあります。私のホームページから申し込みを受け付けています。https://daikatsumata54.wixsite.com/dai-katsumata/contact)

 繰り返しますが、ここで非常に重要なことは全てを完璧にしようとしないことです。目標のレベル感を知ること、合否に直結する知識がどの程度のものか把握することができればOKです。なので、赤本や青本の解説を全て熟読して理解する必要はないと思っています(執筆者は一生懸命書いてくれているのですが。ごめんなさい)。解説もレベル感を知る参考として活用するといいです。「このくらいの知識があるとこの問題は解けていたのか」と考えればいいです。

 こうやって、現在地と目的地が分かれば、あとはその2点を結ぶ最短距離を描くだけです。と言っても、実際に最短ルートで進めることはそうそうありません。勉強を進めているうちに新しい課題が見つかってくるからです。また、自分の実力についての理解、目的地のレベルについての理解も徐々に深まってくるので、その都度地図を書き直すことになります。だから、一度過去問分析をすれば最短距離が見つかって、あとはただ走るだけとはいきません。細かい軌道修正を繰り返しながら進んでいくことになります。

 受験の経験が豊富なプロの指導を受ければ、プロは受験全体をしっかり見渡せているので、最初から直線に近いルートで勉強を進めることができます。また、継続的な指導を受けることで、常に適切な軌道修正をしてもらうことができます。一人で勉強していると間違った方向にひたすら進んでしまい、そのことに自分でも気づけないということが起こりえます。(私の授業を受けることを検討する方は下記リンクから体験指導をお申し込みください。https://daikatsumata54.wixsite.com/dai-katsumata/contact

 最後までお読みいただきありがとうございました!

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