フリーでオンラインの家庭教師をしている勝又です。高校のときは一夜漬けで約1年間学年1位を取り続け(東大合格20人程度の高校)、現在は模試で全国20位以内です。
今回の記事ではより実践的な勉強法の紹介に入っていきたいと思います。
使う教材
まずは使う教材の紹介です。使う教材はかなりシンプルです。僕は学校で使う教材をメインに勉強していきます。(歴史だけでなく他の教科でも、教科書や学校教材はとてもよくできているものが多いです。学校教材を使いこなせさえすればそれだけで教材は十分です。)
1、教科書 教科書はとてもよくできています。ただ、教科書を読むのにも実力が必要です。教科書を読む力さえあれば教科書がとても有用です。歴史を見る「視点」のようなものが書かれている箇所に着目することが大事です。例えば、「海外征服はローマ社会自体に深刻な影響を与えた。支配層はさまざまなかたちで富を増大させたが、征服戦争に長期間従事した一般農民は土地を荒廃させて没落の道をたどった。」といった記述です。固有名詞が含まれていないこういう記述に注目できるようになるとよいです。
2、詳説世界史研究・詳説日本史研究 山川から出ている、教科書の詳しい版みたいな教材です。教科書だけでは理解が浅い、もっと情報がほしいと感じたときに読むといいでしょう。ただし、情報量が多いので、うまく取捨選択できない人は手を出さない方がいいかもしれません。
3、資料集 写真や図でイメージ作りをするための教材です。特に文化史などは写真がないと学習しにくいので資料集が必須でしょう。また、資料集の図のまとめ方を見ると、自分でまとめる作業をする上でとても参考になります。何種類もあるので、学校でもらうもの以外に自分で買ってみるのも面白いです。
4、用語集 用語の意味を調べるのに使います。教科書への掲載頻度が載っているので、どの用語が重要かの目安にもなります。私立志望の方が細かい知識がより必要になるので用語集を使う機会がやや多くなるでしょう。また、各用語のどのような内容をおさえればいいかのヒントにもなります。1回目の記事にも書いたように、単語量を無理して増やすよりも、重要な語句の内容を正確におさえる方が得点につながります。
5、授業などのノート+自分用のまとめノート 後で書くように、僕は自分でノートをまとめる作業を重視しています。でも、いきなり自力でまとめるのは難しいので、学校の授業などのノートやプリントを叩き台にします。学校の授業でも塾・予備校の授業でもいいので、ある程度真面目に聞いている授業のノートをベースにするといいです。もし、そういう授業がないなら、山川から出ているまとめノートを使ってもいいと思います。また、音声教材や無料の映像授業などをベースにしてもよいです。
ここまでが必須のものです。必要に応じて、以下のものも活用しましょう。
1、一問一答 前回の記事でも書いたように、必要な知識量の目安として、定着度の確認として、知識が抜けるスピードを減速させるためという目的で使うといいでしょう。
2、音声教材または映像授業 学校の授業の質が低いとか、学校で歴史をとっていないといった人は、何かしらの授業を受けた方がいいです。歴史を完全に独学するのは意外に難しいです。授業を聞いて、なんとなくの雰囲気を掴む、という段階を踏んだ方が勉強がしやすいです。僕は『青木裕司のトークで攻略世界史B』を持っています。再生速度を上げれば復習にも使えるので便利です。今はYouTubeなどで無料の授業を見ることもできるので、質が高いものを見つけてそれを活用するのもいいでしょう。
3、論述の問題集 前回の記事でも書いたように、あまり演習は必要ないというのが僕の見解です。ただし切り口が独特な論述を出題してくる大学を受験する場合は、過去問をたくさん解くといいと思います。
では、これらの教材を使って、具体的にどのように勉強を進めていけばいいでしょうか。
勉強の流れ
1、とりあえず授業を聞くいきなり独学するのは大変です。とりあえず授業を聞いて雰囲気をつかむことが大事です。授業は学校のものでも予備校のものでも映像授業でもなんでもいいです。この段階で用語を無理に覚える必要はありません。まずは用語に馴染んでいくことを目標にしましょう。僕は、歴史の場合、この最初の段階で誰かの授業を聞くのがいいと思っています。 もしくは学習マンガを活用してもいいでしょう。
2、まとめノートを作る 僕が歴史の勉強の中で一番大事にしているところです。学習に、知識の整理→暗記→演習という3段階があるとすると、僕の勉強法は整理に多くの時間を割くやり方です。暗記は短時間で高い負荷をかけてやります。そして、演習の時間は最低限にします。こうすることで、全体としては時間を節約することができます。 僕がまとめノートを作るのは頭を整理するため、何を覚えるかをはっきりさせるためです。書く作業をする中で頭の中を整理していくイメージです。「ローマの身分闘争で覚えることは主に4つなんだなー」とか「ローマ帝国の分裂とエフェソス公会議はどっちが先なんだ?分裂の方が先か」とか考えながら書いていきます。参考書を見ているだけだと、分かったつもりになってしまって、こういうことに気付けなくなります。手を動かしながら頭の中を整理していくのがいいです。 参考までに僕のまとめノートの画像を見せますね。高校のときのものと社会人になってからのものを載せます。高校のときのものは授業の流れに沿って作っていて、社会人になってからのものはまとめ方に一工夫を加えています。
慣れないうちはもっと汚くていいです。大事なことは頭を整理することですから、とりあえず用語を書き殴って、「あ、こっちの方が先か」とか「これが原因になってあれが起きたのか」とか考えながら線でつないだりするくらいで十分です。僕も高2の頃まではそんなメモ書きを作るだけで試験勉強をしていました。画像のようなノートを作るようになったのは受験を意識し始めてからです。
どちらのノートも色を使っていませんね。大事なところに色をつけるという発想は好きではありません。だって、どうせ全部覚えるから。まとめノートに載せたものは基本的に全て覚えます。だから重要度で色分けする必要はありません。何色も使うとまとめる作業に時間がかかりすぎるという理由もあります。 教科書の大事なところに線を引くという発想も同様に誤りです。だって全部大事だから。僕も線を引くことはありますが、大事だから線を引くという発想ではありません。
僕が大事にしているのは記号の使い分けです。用語の内容なのか、具体例なのか。因果関係なのか対立関係なのか単なる時間的な前後関係なのか。そういったところをかなり意識しながらまとめています。用語そのものではなくて、用語と用語の関係性がどういうものなのかを大事にしています。
(生徒もこんなコメントを残してくれています。https://daikatsumata54.wixsite.com/dai-katsumata/case-c)
ノートの作り方にはいろいろとポイントがあるのですが、感覚的で文章では上手く説明しきれないので、僕の勉強法で勉強していきたい!という人はホームページから体験指導のお申し込みをどうぞ(https://daikatsumata54.wixsite.com/dai-katsumata/contact)
さて、こういうまとめノートを作れたら、(僕は高校のときは内職とかでノートを作っていました。)次は暗記に移ります。僕は高校のときは、先ほど載せた画像の範囲を30分で丸暗記していました。だいたいテスト範囲がまとめノート12枚分になるので、全範囲を6時間で暗記して、一夜漬けでテストに臨んでいました(まとめノートを作っている時間があるんだから一夜漬けじゃないじゃんと言われたらその通りです。まあ、記事のタイトルはキャッチーにしないとアクセスも増えないので許してください)。 どうやって暗記していたかというと「何も見ないで完璧に説明できるまで繰り返す」というやり方です。どういうことかと言うと、まずはまとめノートを見ながら流れを確認します。ある程度頭に入ったら、ノートを見ないで、ノートの内容を説明できるか挑戦します。学校の授業のような感じで説明していきます。まとめノート1枚を単位にして、1枚を完璧に説明できるまで繰り返します。ポイントは、一箇所でも間違えたら、1ページ全部をやり直すことです。よく見かけるのは、間違えたら間違えたところだけを繰り返すやり方ですが、これくらいでは記憶は定着しません。そもそも、思い出せなかったり、間違ったりしたときは他の知識との関係が曖昧になっていることがほとんどです。だから、他の知識も含めて暗記の作業をやり直すのです。「あ、ここはペリクレスだったか。ペリクレス、ペリクレス、ペリクレス、、」って何度唱えても覚えられません。「ペリクレスの前は誰だっけ?ペイシストラトス→クレイステネスという流れのあとだな。テミストクレスもおさえておかないと、、」って感じでやり直せば覚えられるのです。 1回目の記事で負荷を上げるという話をしました。その具体的なやり方がこれです。超しんどいです。ほんと辛いですけど、短時間で覚えられます。
これだけ完璧に覚えても時間が経つと少しずつ忘れていきます。なので、この作業を定期的に繰り返す必要があります。気合いで暗記する作業を入試までに数回繰り返せるといいでしょう。それ以外にも、こまめに見直したり、一問一答を高速で解いたりすれば、忘れる速度を減速させることができます。ただ、忘れてほしくないのは、それらは「忘れる速度を減速させる」ことを目的にやるものであって、「それをやれば覚えられる」というものではないということです。
今回の記事はここまでです。最後までお読みいただきありがとうございました。
3回目の記事はこちらから。全3回で完結です。
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